イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
 また胸がぎゅーっと掴まれるように痛くなった。

『行かないで』そんな言葉はまだ出てこなかった。

 けれど、遊ぼうって、遊ぶって約束した。

 それからくるちゃんとは仲良くなって、6歳の後半ぐらいには、もう好きって、ほぼのことが理解できてた。

 だけど、くるちゃんはまだわからないと思うから、小学五年生までは告白は我慢していた。

 けれど、くるちゃんもずっと好きだったって言ってくれて、婚約して。

 とにかくずっと愛したい。



「んっ……」

 クンクンと匂いを嗅ぐ。

 これは、くるちゃんの匂いじゃない。

 気持ち悪……くる以外の匂い嗅ぐと、吐きそうになるんだよな。

「あ!なっちゃん起きた?」

「うぐっ……きっしょ……」

 香水のキッツイ匂い。

 早く帰んないとくるちゃんが家に入らないのに……。

「はぁ?キッショいはヒドくなぁい?」

「ケホッなぁちゃん……」

「っ!」

 これは世界一可愛い俺の天使の声っ……。

「あぁーなっちゃん〜」

 そうやって抱きつこうとする奈美払ってくるちゃんの元へ行く。

「くるちゃん!?くるちゃん大丈夫!?」

「んっ……ななちゃんっ……あれ……ここ……」

「多分、奈美の屋敷だよ」

 奈美とは、俺のイトコで、いま中学2年生の香水がマジでキッショくて、いつも俺が好きだとか言ってちょっかいをかけてくるマジでウザいイトコだ。

「ふぁ〜……」

 くるちゃん、帰り途中に襲われたのかな……?

 眠そうなくるちゃんを抱っこして、とりあえずくるちゃんの安全を確保する。
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