キミだけは推さない、!( º言º)
「芸能人って。そんなに特別ですか」
わたしの知るナナセはフツウの男の子だ。
そりゃあ見た目もよければ演技においては天才かもしれないけど
あいつは、くだらないことでムキになったり機嫌を損ねたりするガキなんだ。
「わたしが芸能人に興味持つとしたら。それは。芸能人っていう肩書きなんて関係なくて、単純にその人を評価したくなったときだと思います」
「七瀬柚季は推せると」
「……推してませんけど」
「そういう話じゃなかったの?」
「全然ちがいます」
「もしも君の存在が公になったら、七瀬くんは番組の宣伝になるけど。君の方は私生活に影響でるよね」
……宣伝に?
「あの。炎上した方が、芸能人的には美味しいんですか」
「え?」
考えてもみなかった。
「そりゃあ。ニュースにあがってこれば、名前が売れるし。スキャンダル的なものの方がトレンドに入りやすいよね」
なるほど。
飲酒や喫煙してるわけでも、ましてや薬なんてやってないんだ。
イメージさえ悪くならないなら、一般人といるとこ見られるくらい問題ないよね。