キミだけは推さない、!( º言º)

「ありがとー、アキラ」


待ち合わせ場所に先についていた亜依は、コートの下にグッズと思われるロゴ入りのパーカーを着ていた。


「呼び出しといてなんだけど。合わなかったら無理しないで途中で抜けてね?」

「いや。最後までいるよ」


亜依がヘンな男に声かけられないか見張ってたいし。


「あー。どのみちあたしら、最後までは見れないの」

「そうなの?」

「終電もあるし。高校生は深夜に出入りしちゃヤバい」


それもそうか。


今日のライブ、そんなに遅くまであるんだな。

チケットには始まる時間が書いてあるだけで、何時までかは、わからなかった。


「残念だね、最後まで見れなくて。ファンなんでしょ?」

「それは問題ない。対バンだから」

「たいばん……とは」

「複数のバンドが出るの。逆に、あるバンドだけが出るのはワンマン」


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