キミだけは推さない、!( º言º)
「ふあ……」
あくびが出て、途端に眠気が襲ってくる。
限界だ。
「どこ行くんだ」
「……? 寝るんです」
「寝かさねえよ」
…………うん?
「次、見るぞ」
「は?」
「逃げんなよ。イモ」
「誰がイモですか」
「名前知らねーしな」
「……わたしもあなたの名前知らないですけど」
「自分で調べろ」
「いや。そこまでして知りたくは……」
「教えろ」
「名乗るほどの者では」
「名前も知らないヤツ置いとけるかよ」
「……伊森です」
「イモじゃねーか」
「い、も、り、です」
「明日の放送見ろよ」
「え?」
「今撮ってるドラマ」
「……ちなみにジャンルは」
「恋愛ものだな」
「わたし恋愛もののドラマ見ないんですよね」
「知るか。見ろ」
「……初回です?」
「第二話」
ドラマって途中から見て楽しめるものだろうか。
わたしは見るなら最初からじゃなきゃイヤだ。
「お前。間違いなく俺に惚れるな」
「惚れません」