キミだけは推さない、!( º言º)


亜依のバイト代がめぐりめぐってあの男に届くのか。


「今日ドラマあるよ!」

「らしいね」

「なんだあ。チェックしてるんじゃん」


本人から聞いたとは言えねえ。


「初回放送の視聴率、えぐかったんだから」


ふーん。

それであんな自信満々に見ろとか言ってきたんだな。


「やっぱり買えないのかなー」

「なにが」

「昨日発売のアレに決まってるでしょ。なんで予約しなかったんだろう」

「……へ?」

「雑誌の名前ラインで送っといたの確認してくれたー?」


――――七瀬柚季


「再販の情報もないし。フリマアプリだとすでに10倍以上の値がついてるし。伝説の雑誌になっちゃうかな」


どうやらわたしの寝不足の原因を作った男は、とんでもない男のようだ。


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