キミだけは推さない、!( º言º)

しぶしぶ、まぶたを開くと――


「制服着てるじゃん。ってなにこの笑顔」

「超絶似合うだろ」

「自分で言うなよ」


……爽やか優等生に見える。


話の展開はわからないけど、今となりにいる男が画面の中ではまるで別人だ。


本人だと言われなければ他人の空似で済ませそうなレベルに。


「惚れたか」

「もう見たから寝てもいい?」

「なっ……ここからいいとこなんだよ」


意外に作品への愛があるの?


「恋愛ものってイマイチなにを楽しめばいいかわからないし」

「今のシーンよかったろ」

「甘いマスクの学園王子が実は腹黒いってギャップがよく出てた」


切り替わりが、すごいな。


「惚れたか」

「べつに」


ことあるごとに惚れたか確認してくるの、なんなんだ。


「ありえねえ」


演技は一流だけど中身これだしな。


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