キミだけは推さない、!( º言º)


クローゼットから服を取り出すとベッドにポンポンと投げていく、ナナセ。


「なにしてんの」

「これと。これだな」


勝手に選んでるし。


「着てみろ」

「どうしてわたしの服を」

「着ろ」

「…………」


ナナセのコーディネートは、わたしが挑戦したことのないような大人びたものだった。


いつもなら少年って感じの私服姿が――


「まあまあ。私の買ってあげた服、着てくれたのね」


自分じゃ、ないみたい。


小物使いにまでこだわりを感じる。



「今日はデートなの? アキラちゃん」

「え……」

「楽しんできてね」


女の子とだけど、まあ、そういうことにしてもいいか。

亜依はちっちゃいから並ぶとカップルに思われることも、しばしば。

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