キミだけは推さない、!( º言º)


「七瀬さん入りまーす」


来た。


ナナセが登場するや否や、黄色い声があがる。


「やば。ホンモノだ」


衣装をまとい髪をセットしたナナセが、こっちを見ずに離れていく。


現場はもっと向こうの方らしい。


「生きてて良かった……」


亜依や他の女の子たちが感動している。

中には涙を流し、立てなくなっている子まで。


「ユズ~! 愛してる!」


わたしのとなり――亜依と反対側にいたファンが、叫んだ。


スタッフが大きな声を出すと撮影が中断しかねないことを伝えにやってきた。


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