生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「お昼寝は済んだのかな?たまにはミシェルではなくて、パパと一緒にお昼寝してくれてもいいのに・・・」

階下のリビング(らしきところ)では、父ロゼレムと母マリリン、マリリンに抱かれて眠るカノン、執事?のレザルスが座ってお茶を飲んでいた。

執事?と?がついたのは、レザルスが座っていたから。

前世の記憶によると、執事は家令で、ご主人様と一緒に座ってお茶をすることはなかったはず。

レザルスの格好から勝手に執事と思い込んだけど、実は違うのかな?とハルルは思った。

“もしかしたら、コスプレ好きの祖父とか“

妄想すると楽しいが、いかんせん、つい先程まで、知識を蓄えるためにささいな思い出は片っ端から忘れてしまう3歳児の脳。

これまでの出来事がまるで記憶としてほぼメモリーされていないのは痛い。

生きていく上で必要な知識以外は貯めこまないようにして、本能優先で生きるのが幼児なのかもしれない。

しかし、今のハルルは25歳の記憶と知識を持つチート。

この反則技を活かして、今世の大切な家族を幸せにしようと心に誓った。

そのために大事なことはそう、情報収集だ。

もう、どんなに意地悪な敵が現れようとも、前世のように引きこもって逃げたりはしない。

今世の家族は、あの仮面を被った人形のような両親ではなく、温かくて優しいこの人たちなのだ。

おばあさんの言ったように、願えば夢は叶うはず。

後は努力あるのみ。

ハルルは、両手を広げて迎え入れてくれる父ロゼレムに抱きつきながら、固く忠誠を誓った。

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