生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜

teenager

それからあっという間に12年が経ちました。

さすが異世界、時間が経つのが早いですね。

って、こちらの世界も1年365日、1日24時間と、時の長さは前世と全く変わらなかったのだけど、ハルルの脳が大人並みに進化していたからか月日が立つのはあっという間に感じた。

とはいえ、ハルルもまだまだうら若きティーンネイジャー。

15歳、まだまだこれからが青春と思っている。

ハルルが15歳ということは、ミシェルは17歳、カノンは14歳になった。

2人はもちろん、ハルルの期待通りの超絶美形に育ちましたよ。

一方のハルルはというと、ブラウンのくせ毛はますますユルユルフワフワとなり、その容姿はまるで子犬のようだと形容されている。

ご近所の皆様に言わせると、この地方のご当地犬であるポメラニアン似。

こちらのポメラニアンも、前世にもいたあのポメラニアンとおんなじ容姿であるとご理解頂けるとわかりやすいだろう。

このことが指し示す意味を直訳するとハルルは両親の遺伝子を全く引き継いでいないということだ。

美形の母、兄と妹には全く似ていない。

もちろん金髪イケオジの父親にも全然似ていない。

ブラウンづくしのハルルはスチュアート家では異彩を放っていた。

おそらく、周囲の人は皆、ハルルとスチュアート家の血の繋がりを疑っていることだろう。

ハルル自身でさえそうなのだから仕方ないのだが、少し肩身は狭い。

まあ、島外に住む父方の祖母の姿絵を見てからは、その考えも多少は軟化したのだがね・・・。

彼女もまた子犬(チワワ寄りだが)のような可憐な容姿をしていたから。

たとえ、血が繋がっていないにしても、所詮、前世のようにDNA鑑定などがあるわけではないのだから証拠はつかめない。

そう、万事、両親が黙ってさえいれば問題ないのである。

たぶん。
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