生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
人口40人の島国には、現在8組の家族が住んでいる。

まるで算数の計算問題に使われるような単純な組成(5人×8組=40人)。

“もしかしてここは小説かゲームの世界なのだろうか?“

波瑠の前世の記憶には何も該当するものがなかったのできっと違うのだろう。

ハルル15歳の現時点で、この島国に18歳未満の子供の数は8人。

ハルルとミシェルとカノンを除けば、5人の友達しかいないことになる。

なぜこんなに極端に人口が少ないのか?

そして、居住する子供達の年齢が、ハルルと同年代ばかりに片寄っているのかか・・・。

その答えは、この島の歴史にあった。

子供達には知らされていないが、実はこの島国の歴史はわずか18年しかない。

18年前、無人島だったこの島に、スチュアート家をはじめとした8組の家族が移住したのがはじまり。

8組の家族は似たような年代の夫婦を中心とした5人家族。

家の外では、大人達が交流をはかっているらしいのだが、スチュアート家の執務室において彼らが契約関係以外の話をしている場面に出くわしたことはなかった。

極端に人口が少ないからと言って、この島の土地が手狭かというとそうではない。

前世でいうグアムくらいの大きさはある。

前世の車でなら島の海岸沿いを1日で1周できる位の広さはあるのだが、物々交換などでお互いの生活を担保するため、8組の家族は半径3km圏内の限られた地区で暮らしていた。

だからこそ、多少の移動距離があるとはいえ、各家庭の子供達が、スチュアート家の裏の森に集まって遊ぶことは十分可能だったのだ。

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