生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
そんなこんなで驚きと動揺で始まった1日だったが、単純なハルルは、学園の忙しさにかまけて、いつもと違う状況であることをすっかり忘れてしまっていた。
アオハル学園から帰宅後、気を抜きまくりだったハルルは、今日からは恋愛対象になりうる年頃の男性が自宅にいることをウッカリ失認してしまっていた。
着替えを持ってバスルームに行き、ゆったりとお湯に浸かること30分。
リラックスモードとなったハルルは、濡髪にネグリジェといった軽装で、なんの警戒もなく廊下に出たのである。
夕食は自室でとるつもりだったので、もう寝の態勢だったのだ。
同じ時、向かい合った男性用バスルームから出てきたのはハウル。
もちろん、示し合わせたのではなく偶然の出来事だった。
“これって運命?“
濡髪にスウェットという、色気を垂れ流した無防備なケモミミイケメンとの未知との遭遇。
猿じゃなくて良かった、と安心したのは内緒だ。
"うひょ〜、濡れツヤ髪。半袖から覗く上腕二頭筋から前腕にかけての適度な筋肉と胸筋の美しさが半端ないわ、眼福、眼福"
邪な心でハウルを見つめるハルルだったが、自分こそが、年頃の女の子特有の色香を醸し出していることには無頓着だ。
ハウルがそんな無防備なハルルの軽装を見て、密かに動揺していることなどもちろん気づくことはない。
「あら、ハウルさんもお風呂に入ったのね。我が家の自慢のバスルームはご堪能頂けたかしら?」
頭の中のヲタク思考を悟られまいと、ハルルは笑顔でハウルに話しかけた。
「ああ、ここのバスルームは他国の王都にも引けを取らないほど凄いな」
なぜが耳と尻尾をフルフルさせながら、視線をそらし気味にハウルが答える様子がなんだかカワイイ。
「そうなの!露天風呂には入った?照明とか植栽とか私がデザインしたの」
そう。前世の波瑠は引きこもりではあったが、無類の温泉好きでもあったのだ。
たまに珍しく外に出たくなったら、フラリと一人で温泉巡りをしていた。
引きこもりらしく、動画サイトに地道に温泉の良さを投稿して小銭を稼ぎ、二次元と温泉を満喫する生活はなかなかにオツだった。
「ああ。月を見ながら風呂に入るなんて初めてだったから少し驚いたけどいい感じだったよ」
ワイルドな見た目を裏切らない、硬派なハウルの切り返しは、二次ヲタの萌えを刺激するのに十分なデレだった。
「あの花の匂いのする白いお湯、すごく良かったな」
「あれはね、温泉の素といって・・・」
「・・・ハルル、・・・ハウル?」
ハウルが褒めてくれたことがついつい嬉しくなって有頂天のハルルは、食い気味にハウルに近づいて熱弁をふるいそうになっていた。
それを遮ったのは、地を這うように冷たいミシェルの低い声だった。
アオハル学園から帰宅後、気を抜きまくりだったハルルは、今日からは恋愛対象になりうる年頃の男性が自宅にいることをウッカリ失認してしまっていた。
着替えを持ってバスルームに行き、ゆったりとお湯に浸かること30分。
リラックスモードとなったハルルは、濡髪にネグリジェといった軽装で、なんの警戒もなく廊下に出たのである。
夕食は自室でとるつもりだったので、もう寝の態勢だったのだ。
同じ時、向かい合った男性用バスルームから出てきたのはハウル。
もちろん、示し合わせたのではなく偶然の出来事だった。
“これって運命?“
濡髪にスウェットという、色気を垂れ流した無防備なケモミミイケメンとの未知との遭遇。
猿じゃなくて良かった、と安心したのは内緒だ。
"うひょ〜、濡れツヤ髪。半袖から覗く上腕二頭筋から前腕にかけての適度な筋肉と胸筋の美しさが半端ないわ、眼福、眼福"
邪な心でハウルを見つめるハルルだったが、自分こそが、年頃の女の子特有の色香を醸し出していることには無頓着だ。
ハウルがそんな無防備なハルルの軽装を見て、密かに動揺していることなどもちろん気づくことはない。
「あら、ハウルさんもお風呂に入ったのね。我が家の自慢のバスルームはご堪能頂けたかしら?」
頭の中のヲタク思考を悟られまいと、ハルルは笑顔でハウルに話しかけた。
「ああ、ここのバスルームは他国の王都にも引けを取らないほど凄いな」
なぜが耳と尻尾をフルフルさせながら、視線をそらし気味にハウルが答える様子がなんだかカワイイ。
「そうなの!露天風呂には入った?照明とか植栽とか私がデザインしたの」
そう。前世の波瑠は引きこもりではあったが、無類の温泉好きでもあったのだ。
たまに珍しく外に出たくなったら、フラリと一人で温泉巡りをしていた。
引きこもりらしく、動画サイトに地道に温泉の良さを投稿して小銭を稼ぎ、二次元と温泉を満喫する生活はなかなかにオツだった。
「ああ。月を見ながら風呂に入るなんて初めてだったから少し驚いたけどいい感じだったよ」
ワイルドな見た目を裏切らない、硬派なハウルの切り返しは、二次ヲタの萌えを刺激するのに十分なデレだった。
「あの花の匂いのする白いお湯、すごく良かったな」
「あれはね、温泉の素といって・・・」
「・・・ハルル、・・・ハウル?」
ハウルが褒めてくれたことがついつい嬉しくなって有頂天のハルルは、食い気味にハウルに近づいて熱弁をふるいそうになっていた。
それを遮ったのは、地を這うように冷たいミシェルの低い声だった。