生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「あいつは相変わらずだな」

「最早、ああでなかったらミシェルじゃないとまで思い始めたわ」

「妥協、だな」

「諦め、よ」

ハルルはハウルとそんな軽口をたたきながら屋敷に戻った。

今、屋敷は無人のためとても静かだった。

ハルルはこれからアオハル学園に行って、進行途中の研究を煮詰める予定である。

「何時に出る?」

「30分後かな」

「了解」

無駄口を叩かない大人の男、ハウル。

24歳になった彼からはすっかり少年のような幼さが消え、日々精悍さが増し増しだ。

「ハルル」

「何?」

「俺から離れるなよ?」

ハウルの突然の王子様発言にハルルはギョッとした。

「急にどうしたの?」

今までミシェルに請われて厭々護衛をしてくれているものと思っていたのだが違ったのだろうか?

「いや・・・ミシェルに頼まれてるから、な」

言いどもるハウルを見ると、やはりミシェルに念押しされていたから敢えて強調してみただけらしい。

「了解」

ハルルは前世の敬礼ポーズをとると、笑ってハウルに同意を返した。


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