生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
6歳のロゼレムに召喚されたのは、当時竜王城の護衛として遣えていた340歳のレザルス。

レザルスは竜人界で番が見つからず、毎日同じことの繰り返しで長すぎる竜人生に飽き飽きしていた。

レザルスは願った。

『長生きなどしなくても良い。番に会いたい。自由で充実していると思える日々を生きたい』と。

同じ時、ロゼレムはモリーの実家であるハロルド家を訪れ、庭の端にひっそりと植えられた御神木の前に立っていた。

幼いロゼレムは、祖父の誘導に従って、竜人の好む虹色の魔石を神木に捧げた。

そして祈る。

愛する人を守れる、十分な実力を持った忠誠心に固い”我が阿形の召喚“を。

ロゼレムが選んだ方法は①でもあり②でもあると言えた。

竜人は、獣人でもあり魔獣でもある。

そんなレザルスが何故ロゼレムの元に召喚されたのか?

それは、ロゼレム付きの侍女、ララ・リスナーこそが、レザルスの番だったからである。

ララはハロルド家に歴代仕えるリスナー家の娘。

モリーが王妃となり、ロゼレムを産んだ時にロゼレム付きの次女となった女性。

リスナー家には、数世代前に竜人と番った祖先の血が流れており、女性のララにも竜人の魔力が備わっていたため、ロゼレムの護衛に選ばれたのだ。

ロゼレムが6歳の頃、ララは24歳、しかも独身。

王子付きの侍女として18歳の時には王城に召し上げられたためすっかり婚期を逃していたのである。

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