生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
むかし、むかし、いや、ちょい昔。
メンデル国王の魔の手から逃れ、無事にサギュア(アンデルビオン王国が存在する惑星の名前)から地球への転移門に辿り着いたヤエル、もとい八重は、魔女の修行&将来娘に迎える魂を保護するべく、単身地球に乗り込んだ。
降り立ったのはあの神社。
そう、波瑠が転生するきっかけとなった駒田川神社である。
さほど大きくないその神社は、恋愛の神を祀っていることが有名で、週末にはその評判を聞きつけた若い女性やカップルで賑わうが、平日のその日は閑散としていた。
神社の入り口と赤い鳥居の先には“阿吽”の狛犬。
この2体の狛犬(正確には狛犬ではなく伝説の聖獣ザイルという)は、ヤエルの住む世界・ザキュアから持ち込まれ、その場に設置された御神体だった。
ザキュアと地球は環境が似ており、生命が生存するために不可欠な空気(主に酸素)に溢れていた。
そのため、かつて地球とサギュアの両国には、各地域に存在した“転移の門”を通じて行き来が盛んだった時期がある。
しかし、愚かにも、サギュアに侵略を仕掛けようとした愚かな地球人がいた。
あわや戦争勃発、魔力を持つサギュアに武力と知力だけの地球人がかなうはずもなく・・・。
両方の世界を守護する神・ファントムは怒り、地球人の歴史から、サギュアに関する記憶と知識のいっさいを消し去り、日本の駒田川にあった転移の門以外は全て閉鎖してしまった。
駒田川の転移の門を消し去らなかったのは、サギュアから地球に移住した者の子孫がいたため。
彼らの持つ遺伝子には、サギュア人の阿吽の片割れとなる資質を秘めている者がいたためだ。
万が一、サギュア人が阿吽の番を召喚することになった場合、彼らの召喚経路が閉ざされてしまうとなるとサギュアの世界の破綻に繋がってしまう・・・。
「えっ?・・・それって、私の祖先にもサギュア人がいたってことなの?」
ハルルの言葉に、ヤエルは頷きながら答える。
「そうなるわね。か○くら時代末期に地球に渡った商人の男性みたいね」
か○くら時代・・・。
歴史で習ったことはあるが、ピンとは来ない。
ザ、外国人の祖先が当時の日本を闊歩していたなんてシュール過ぎる。
神様が上手に歴史を隠蔽したからか、もちろん、日本史にも世界史にも、かつて異世界人が地球人と交流をはかっていたなんて記載はどこにもない。
あまりにも奇想天外な事実に、ハルルは意識をファンタジーワールドに飛ばしたままだった。
メンデル国王の魔の手から逃れ、無事にサギュア(アンデルビオン王国が存在する惑星の名前)から地球への転移門に辿り着いたヤエル、もとい八重は、魔女の修行&将来娘に迎える魂を保護するべく、単身地球に乗り込んだ。
降り立ったのはあの神社。
そう、波瑠が転生するきっかけとなった駒田川神社である。
さほど大きくないその神社は、恋愛の神を祀っていることが有名で、週末にはその評判を聞きつけた若い女性やカップルで賑わうが、平日のその日は閑散としていた。
神社の入り口と赤い鳥居の先には“阿吽”の狛犬。
この2体の狛犬(正確には狛犬ではなく伝説の聖獣ザイルという)は、ヤエルの住む世界・ザキュアから持ち込まれ、その場に設置された御神体だった。
ザキュアと地球は環境が似ており、生命が生存するために不可欠な空気(主に酸素)に溢れていた。
そのため、かつて地球とサギュアの両国には、各地域に存在した“転移の門”を通じて行き来が盛んだった時期がある。
しかし、愚かにも、サギュアに侵略を仕掛けようとした愚かな地球人がいた。
あわや戦争勃発、魔力を持つサギュアに武力と知力だけの地球人がかなうはずもなく・・・。
両方の世界を守護する神・ファントムは怒り、地球人の歴史から、サギュアに関する記憶と知識のいっさいを消し去り、日本の駒田川にあった転移の門以外は全て閉鎖してしまった。
駒田川の転移の門を消し去らなかったのは、サギュアから地球に移住した者の子孫がいたため。
彼らの持つ遺伝子には、サギュア人の阿吽の片割れとなる資質を秘めている者がいたためだ。
万が一、サギュア人が阿吽の番を召喚することになった場合、彼らの召喚経路が閉ざされてしまうとなるとサギュアの世界の破綻に繋がってしまう・・・。
「えっ?・・・それって、私の祖先にもサギュア人がいたってことなの?」
ハルルの言葉に、ヤエルは頷きながら答える。
「そうなるわね。か○くら時代末期に地球に渡った商人の男性みたいね」
か○くら時代・・・。
歴史で習ったことはあるが、ピンとは来ない。
ザ、外国人の祖先が当時の日本を闊歩していたなんてシュール過ぎる。
神様が上手に歴史を隠蔽したからか、もちろん、日本史にも世界史にも、かつて異世界人が地球人と交流をはかっていたなんて記載はどこにもない。
あまりにも奇想天外な事実に、ハルルは意識をファンタジーワールドに飛ばしたままだった。