生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「お昼寝はもういい？おやつの時間だよ。下に行こう」

さっき、ハルルが森に出かけたのは昼食を食べ終えてすぐの時間のことだった。

自室から外を眺めていて、森の中にキラキラ光る何かを見つけた。

ハルルは、誘われるようにゆっくりと階段を降り、玄関を出て森に向かった。

そして、あの狛犬もどきを見つけたのである。

ハルルは再度、あのときと同じようにベッドから体を起こして外を見る。

しかし、そこから見える森はいつもと同じ様相を呈していて、もちろん光など差し込んではいなかった。

「ハルル？」

「おかし、たのしみ」

既視感を得たあの石像。

振り返ったときにはハルルの背丈ほどの”神木”が立っているだけだった。

おそらく、あの狛犬もどきと神木には何らかの秘密がある。

父やミシェルの動揺ぶりからもそれは間違いない。

だが、今、不用意にそれに触れてハルルが今世で手にした幸せを棒に振りたくはない。

ハルルは、こうして秘密の何かに蓋をする。

"信じて行動を起こせば幸せになれる”

という、おばあさんの言葉を信じて。

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