とある先輩の、歪んだ狂愛。
歪んだ笑顔
「いらっしゃ~い!!暑いのにわざわざありがとうね~」
「いえ、こちらこそ誘ってもらってすみません」
「さぁさぁ上がって!アイスあるから!」
夏休みになりました。
セミの声が、聞こえます。
ジリジリと暑い直射日光がアスファルトを照らします。
そんなものよりもずっとずっと暑さを生む熱源、ここにあり。
「きゃーーー!!こんなお高そうなお肉いいの!?和牛じゃないっ!」
「はい。お弁当作ってもらったりしたのでお礼も兼ねて」
「そんな気つかわなくていいのに!うちの安いお肉もあるから!」
ハイテンションな母親の元気っぷりにはもうため息も出ない。
夕方、17:30を回った時刻。
先輩は爽やかな笑顔でアパートの玄関に現れた。
前々からすき焼きすき焼きと主にお母さんが言っていて、双方の予定も合ったしどうですかと。
そんな仲介人はわたしだった。
「先輩、受験勉強とか大丈夫なんですか。あの母親は放っておいても平気ですよ」
「まぁ出願はもうしたから、あとは受験に向けてってとこだし、平気」