とある先輩の、歪んだ狂愛。
そこがやっぱり少しの罪悪感。
だけどこの性格を恨んだことはない。
わたしはこれが南 凉夏だと思ってる。
「お前、イジメられてるんだって?」
ここは生徒にも見つからない穴場だと思っていたのに。
誰かが声をかけてきたわけで。
もちろん聞こえないふり。
「うわ、本当に1人で食べてる。いじめられっ子の典型的パターン」
「……だれ、ですか」
「いじめられ常習犯が1年に居るって聞いてさ」
この馴れ馴れしさ。
初対面のはずなのにタメ口、まぁ先輩なら当たり前なんだろうけど。
上履きの色は青色。
3年生という証拠。
「お前でしょ?冷淡ロボットって言われてんの」
近寄った男はしゃがむように首を傾げた。
サラッと揺れる黒髪は、太陽に翳されると茶色に見える色素の薄い黒色で。
心配になるくらい肌が白い。
それでいてパッチリ綺麗に入った二重ラインは、どこか中性的。
第一印象───女の子みたい。