とある先輩の、歪んだ狂愛。




そこがやっぱり少しの罪悪感。
だけどこの性格を恨んだことはない。

わたしはこれが南 凉夏だと思ってる。




「お前、イジメられてるんだって?」




ここは生徒にも見つからない穴場だと思っていたのに。

誰かが声をかけてきたわけで。
もちろん聞こえないふり。



「うわ、本当に1人で食べてる。いじめられっ子の典型的パターン」


「……だれ、ですか」


「いじめられ常習犯が1年に居るって聞いてさ」



この馴れ馴れしさ。

初対面のはずなのにタメ口、まぁ先輩なら当たり前なんだろうけど。


上履きの色は青色。
3年生という証拠。



「お前でしょ?冷淡ロボットって言われてんの」



近寄った男はしゃがむように首を傾げた。


サラッと揺れる黒髪は、太陽に翳されると茶色に見える色素の薄い黒色で。

心配になるくらい肌が白い。

それでいてパッチリ綺麗に入った二重ラインは、どこか中性的。


第一印象───女の子みたい。



< 11 / 242 >

この作品をシェア

pagetop