とある先輩の、歪んだ狂愛。

歪んだ執着

周side




なんか、モヤモヤする。

最近ずっとずっとムカついて落ち着かない。



「…寝れない」



何度寝返りを打っても、結局は睡眠に入れず。

パチッと電気を付けてエアコンの温度を下げた。



「俺にはあんな顔しなかったし…」



後輩の家にお呼ばれしてすき焼きを食べて、知らなかった癖をひとつ知れて。

ふたり並んで食べて、珍しく笑ってくれた。


そこまではよかった。

問題は、そのあと。



「…すずってなんだよ、涼夏だし」



変な省略しないでよ。

幼なじみだか昔なじみだか知らないけど、俺の幼なじみはつまんない男だってのに。


せっかく楽しかった時間は新たに現れた男に奪われてしまった先週のこと。



「───…そっか、お盆か」



8月、半ば。

暑さが一際目立つその季節は、毎年ご先祖様が家へと帰ってくるときだという。


そんな時期の俺は身内のお墓参りはいつからか“ついで”だった。



「いつの間にか高校卒業の歳になっちゃったよ」



ピンク色をしたスイートピー。



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