とある先輩の、歪んだ狂愛。




「…また、来るよ。次はいつ来れるか分かんないけど…そのときは今度こそ俺を責めてよ」



結局ぜんぶは俺のエゴ。


あいつに近づいたのだって、俺が満足したいから。

そしてもう、いろいろ楽になりたいから。
背負うことに疲れたから。


お前のことを───…忘れたいから。



「これ、おいしい?」


「…それはあなたがよく知ってるんじゃないかと」


「俺は店員さんの意見も聞きたくてさ」



お盆中は逆に稼ぎ時だと思ってるんだろう。

ひとつのコンビニのレジには見慣れた後輩が立っていた。



「他の味はないの?コーラばっかで飽きちゃった」


「…探せばあるんじゃないですか」


「ほんと、相変わらず適当な店員だ」



夏祭り、俺はこいつと一緒に行くことになったらしい。

俺だってもう数年は行っていない。

中3の年からはそんなものに興味すら抱かなくなって。


それなのに、気づけば誰かさんの賑やかなお母さんに背中を押されて承諾していて。



「んじゃあ、これ3つ」


「…180円になります。できれば小銭でお願いします」



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