とある先輩の、歪んだ狂愛。




「…なんの用」



うわ、ダルっそうな顔。

朝早いわけじゃないし、逆に夕方前なのに。

こいつ寝てないの?ってくらいの顔で迎えてくれた幼なじみの廉。



「上がっていい?新しいソフト買ったんだよね」


「ひとりでやれよ」


「これ2人以上じゃないと面白くないから」



こうして昔から一緒にゲームしては夜遅くまでお邪魔して、時にはそのまま泊まっていって。

そんなご近所さんだからこその特権で。


こういうときは1人で勉強するより幼なじみとゲームしたほうが気分も紛らわせられる。



「はい俺の勝ち~」


「…FPSのほうが俺は得意なんだよ。あと寝起きだし」


「いいよそーいう言い訳は。素直に負け認めたほうがラクでしょ」



新発売のレーシングゲーム、どのコースだとしても1位の俺と4位の廉。

コンピューターにも抜かされるって中々だと思うよ?


まぁFPSだと逆の結果になるから俺はあえて買わないんだけど。



「夏祭り、来週だってね」


「…あー、そっか」


「廉は誰かと行くの?」


「いや、行かねぇな」



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