とある先輩の、歪んだ狂愛。
「じゃあ、行ってきます」
「気をつけてね!会えたらメールするのよ!」
「うん、わかってる」
高校生になっても誰かとお祭りなんてきっと無いって思ってた。
それがまさか高槻 周と行くことになるなんて。
そしてわたしは……彼に恋というものをしているらしい。
それを考えると確実に口が尖ってしまうだろうから、今日は考えないようにする。
「…やっぱり早く出て正解」
駅に向かっただけで人が多い。
本当は先輩には駅に集合と言われていたが、わたしが現地集合でとお願いした。
ほら、右を見ても左を見ても同じ学校の生徒と思われる顔ぶれが揃ってるから。
「ねぇ、あれって冷淡ロボットじゃない?」
「見間違いでしょ。あんなのが祭りに来るわけないって!」
「えー似てたよ?でもまぁ、確かに一緒に行く友達いないしねあいつ」
そんなレッテルに、どうやら今は助けられたらしい。
そうです友達なんか1人も居ないんです。
寂しくて可哀想な冷淡ロボットですから。
なんて、心の中でつぶやく。