とある先輩の、歪んだ狂愛。




「俺は3年の高槻 周(たかつき あまね)」



お前は?と、見つめてくる先輩。

ちゃんと自分から先に名乗ってくれたし、一応礼儀はある……っぽいけど。



「…みなみ、」


「それ名前?」


「……涼夏です」


「涼夏ね、すずか…、あーだから冷淡ってこと?」



高槻 周って、よく女子達が甲高い声で言っている人だ。


3年生の中でも有名な人らしく、後輩にも人気で。

ただその理由は単に優しいとか格好いいからだけではなくて。



「あ、違うか。そんな無愛想でクールぶってるから嫌われてんでしょ」


「…放っておいてください」



もしこの学校全体にカーストがあったとするならば。

その頂点に居ると言っても過言ではないくらい、怖い先輩で固められているところのひとり。


それが、高槻 周。



「よし、いい暇つぶし見っけ」


「…ふざけてるんですか」


「悪いけど大真面目」











とある先輩の、歪んだ出会い。



< 14 / 242 >

この作品をシェア

pagetop