とある先輩の、歪んだ狂愛。
夏休みが明けて、先輩と顔を合わすことなく数日目。
いつもの集まり場所となっていたゴミ捨て場前にはわたしが行かなくなって。
適当な場所でお弁当を広げる毎日。
「失礼します。1年B組、南 涼夏です。宇佐美先生に用があってきました」
ガラガラガラ───。
言われたとおり職員室に青色ファイルを届けにきた昼休み。
「お、悪いなすず」
「…学校でその呼び方はやめて大ちゃん」
「それはお前もな」
てか大ちゃんのデスク……散らかってる。
まだここの新米教師になって数日目のはずなのに。
こんなに散らかるほうが逆にすごい気もする。
「すず、それ弁当か?」
ふと、大ちゃんはパソコンをカタカタ動かしながらわたしの手にするチェック柄を一瞬見つめて言う。
そろそろ戻っていいかと聞こうとしたのに会話を増やされてしまった。
「うん」と、うなずいたわたしに大ちゃんは隣のデスクの椅子を何故か近くに移動させた。
「え、どういうこと…」
「俺こう見えても教師なんだわ」