とある先輩の、歪んだ狂愛。
昔は友達も普通にいて、ご近所付き合いを通して大ちゃんとも遊んでて。
それでもわたしが友達を作るきっかけの最初には必ず大ちゃんがいた。
昔から人見知りをしてしまうわたしは、人より少しだけ他人に慣れるまで時間がかかってしまうらしく。
「…うん。ありがとう先生」
「……“大ちゃん”としての心配も入ってるからな」
コクンとうなずいて、わたしは椅子から立ち上がった。
「ここで食わないのか」と聞いてきた大ちゃんに、もう1度うなずく。
「…今日は天気がいいから」
「そうか」
外で食べたい気分、なんて。
わたしはまだ何かを期待しているのか、そうじゃないのか。
自分でも分からないから探るのはやめる。
「失礼しまーす」
「おい高槻、まったくお前はいつもいつも…職員室の入室ルールくらい守れ」
「だって言わなくても分かってんじゃん。呼び出したの先生なんだから」
そんな職員室に、まさかの先輩。
わたしと入れ違いのように入ってきたことで一瞬バチッと合わさった瞳。