とある先輩の、歪んだ狂愛。
私だって出来るなら辞退したい。
でもやらなくちゃ成績に響いてしまうから。
何事もなく高校を卒業するがための踏ん張りどころでしかない。
「みんな足速い子たち?」
「えっ、うそ!?アマネ先輩!?」
「先輩もリレーなんですか!?」
「まぁね」と言って、なぜかわたしの横に自然と立った男。
どうしてこんなときに限って…。
男女別々ではあるが、リレーとしての1チームだ。
「とりあえずバトンパスの練習でもする?」
「しますしますぅ~!!」
もう勝手にやってほしい。
周りもそれぞれの競技、それぞれ自由に先輩後輩で練習を始めてる。
なんか自由な学校だなぁ…なんて思うけど。
「トップバッターとアンカーはとくに速い子で揃えて、その他はバトンパス極めればわりと作戦的には良いんじゃない?」
「はいっ!!」
「この中でいちばん速いの、だれ?」
「え、だれなんだろう…」
今日が初めましての顔ぶればかりのため、そんなの把握してるわけがない。