とある先輩の、歪んだ狂愛。
わたしにとって、どれだけかけがえのなくて夢のような毎日だったか。
だからこそもっと大切にしておくんだったって後悔もしてる。
「たとえ先輩が声をかけてくれた理由が彩に似てたからだとしても、…それでわたしが救われたことに違いはないです」
高槻 周と出会って学校に行くことがちょっとだけ楽しみになった。
下駄箱で朝から卑屈な嫌がらせを受けたとしても、お昼休みまで頑張ろうって思えて。
それでお昼休みが楽しいから、午後も頑張ろうってなる。
そうしていたら1日があっという間に終わる。
「…先輩、」
「…ん?」
すりっと頬を寄せてみる。
避けられてしまったならそれまでだし、受け入れてくれたなら、それもそれでそれまで。
そんなわたしの行動に先輩は次なるものを待っていた。
「───…噛んで、くれませんか」
砕かれてもいい。
粉々にされて食べられて飲み込まれたっていい。
それでしか先輩に触れられる理由を作れないから、もうそれでいい。