とある先輩の、歪んだ狂愛。
先輩が余計なこと言ったから、またいじめがエスカレートする。
厄介なことしかしない人だ。
…あぁ、そっか。
この人のいじめは、こういうやり方をしてくるってことか。
「なに?そんな怖い顔してどーしたの?」
先輩は唇の端を上げて笑った。
わたしが睨めば睨むほどに喜んでいる。
この男からの「いじめ」というものが、どうにも始まったらしい。
「…余計なことしないでください」
「なにが?」
「体育祭のリレーです」
それなのにお昼休みはこうしてわたしの元にやってくる。
こんなところを生徒に発見されたならば、一瞬にしてわたしの立場はもっともっと危うくなるというのに。
「イジメるって言ったじゃん俺」
「…あんなの、ただの嫌がらせです」
「嫌がらせの延長でしょ、いじめなんてさ」
わたしは目立たずに生きていきたい。
もう十分いじめられっ子で目立ってるんだから、これ以上恨まれの対象にはなりたくない。