とある先輩の、歪んだ狂愛。




「先輩、好きでした。」


「……」



……本当にこいつってこーいうヤツ。

なんだろ、もう。


サラッと言い過ぎてて「そうなんだ」って条件反射に返しそうになる。


……俺、告白されたよね?

いまここで告白されたんだよね?



「……なんで過去形」


「先輩が過去に生きてるから、過去形です」


「…お前の語彙力がたまに怖いときあるよ俺」



小説家にでもなる?

それか詩人?

芥○賞なり狙う?
わりと良いとこまでいくんじゃない?



「…先輩、授業始まるんですけど」


「そんなのいーじゃん」



なんだよこいつ。
なんでそんなに普通なの。


キスしたでしょ?

あの日、ファーストキスだったよねお前。


それなのになんで俺ばっかりが動揺して、俺ばっかりがいっぱいいっぱいなんだよ。

おかしいでしょ。

髪切ったら女の子ってこんなにスッキリしちゃうの?



「…だったらどうすれば過去から抜け出せる?」


「それは……自分で見つけないと意味ないです」



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