とある先輩の、歪んだ狂愛。
歪んだ雨空
「もぉ~!アマネのバカぁっ!」
「なんで言わないのよぉ…!」
それは3年生。
いつも先輩に腕を絡ませるようにして隣にいた、クラスメイト。
「嘘でしょ…?私、アマネ先輩のこと…っ」
「こんなことになるなら告白しておけばよかったぁ…っ」
それは2年生。
いつも陰から見つめて隙あらば話しかけていた女の子たち。
「あんた何か知ってたんじゃないの!?」
「なんとか言いなさいよ冷淡ロボット…!!」
そして1年生。
なぜかわたしに八つ当たり、理不尽。
冬休みが明けて3学期が始まった朝───高槻 周はこの学校から居なくなっていた。
そしてスマホに登録された名前からの連絡は、それ以来まったくと言っていいほどに無くて。
もしかしてブロックされてる?なんて思ったりもして。
「先輩、ここのゴミ捨て場前は相変わらずです」
冬晴れの空にポツリとつぶやいて、アスパラベーコン巻きをパクっと頬張る。
いつも先輩がわたしに差し出してくれてドキドキと緊張して嬉しくて。
もっと言葉で伝えられてたらよかった…なんて今更になって後悔。