とある先輩の、歪んだ狂愛。
「───やめとけ」
「っ、廉先輩…!?」
あ、この人…。
先輩の幼なじみでお世話になった美容室のところの…椎名 廉って人だ。
「ここは黙っといてやるから戻れ」
「ご、ごめんなさい…っ」
その「ごめんなさい」はわたしへと向けられたものではなく。
廉という人にどうやら助けられてしまったらしいのだけど…。
その人は女子生徒に続いて戻るのかと思いきや、間隔を空けて隣に座った。
「本当にこんなとこで毎日食ってんの」
「……はい」
え、どうしてわたしこの人と喋ってるの?
それにどうして廉って人もわたしに話しかけてくるの?
なんだろう、この落ち着かないデジャヴ…。
「…周から頼まれてんだよ。見張っててやってくれって」
あぁ、そういうこと…。
先輩はやっぱり過保護なひとだ。
「先輩とは…連絡し合ってるんですか」
「まぁ、たまに」
「わたしは大丈夫ですって、伝えといてくれませんか」
「そんなの自分で伝えろよ」
それが出来ないから言ってるのに。