とある先輩の、歪んだ狂愛。
わたしからしたって返信はない。
ちゃんと送れているのかも微妙で、先輩が新しい学校で色んな重荷を取り外して楽しくやってるならそれでいいとも思ってるから。
もういじめられっ子に縛られる必要なんかない。
「あの、わたしと関わるとたぶんいじめられますよ」
「別にどーでも。そのときは周に文句言っとくわ」
先輩は、わたしがこう言うと。
「くだらないこと言うね」って返してくれた。
だからそんな言葉を少し期待していたけど、やっぱりこの人は高槻 周じゃないんだと実感。
「俺は周と違って面倒なことは御免だ。いじめなんか自分でどうにかしろよ」
「…はい」
そこは少し似ているような気がした。
今のわたしはもう守り方を知っている。
誰かさんが教えてくれた、とても非道で最低で理不尽な守り方を。
「いじめっ子になるんです」
「……は?」
「わたし、人をいじめます」
「…あいつ、後輩に何を教えてんだよ」
その冬晴れの空はキラキラと輝いていて。
こうして先輩の話を誰かと出来ることに、わたしの珍しいくらいの笑顔が跳ねた───。
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