とある先輩の、歪んだ狂愛。
周side




ほんと、季節が巡るのって何でこんなに早いんだろーね。

引っ越して転校して、気づけば卒業だってすぐ目の前。

今度は大学の引っ越し準備が迫ってて、この時期ってほんと面倒。



「遅くなってごめん。お盆以来だったよね」



スイートピー、いつもの花屋さんに売ってなくてさ。

随分探したんだよ。


なんて言い訳は遅刻理由として許される?



「俺、卒業するよ。受験も受かって春から大学行くんだ」



初めてだ。

この場所で、ここまで平然と近況報告できたのなんか。



「彩、つぎ来るときさ…連れて来たい子がいるんだよね」



お前、許してくれる?

女の子なんだけど。


それでちょっと彩にも似てる子で、俺ってたぶんそーいうタイプを好きになるんだろうなって最近わかってきた。



「もう2年になるんだ…涼夏」



あれからもちろん電話もメールもしてない。

最初の頃は向こうから少しきてはいたけど、返さなかったらいつの間にか来なくなった。


それが涼夏らしいとも思って。


あとは廉を通じて色々教えてもらってたり。



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