とある先輩の、歪んだ狂愛。
「じゃないとイジメる側の俺だって面白くないじゃん」
耳元でクスッと笑う先輩。
わたしを玩具のように扱って、反応を見て面白がって。
もしかしたらクラスメイトの卑屈ないじめよりも面倒かもしれない。
「じゃーね。リレー頑張って」
ヒラヒラと手を振って、非常階段から姿を消して行った。
そしてその直後。
「っ…!」
ドンッ!と、数人の手がわたしの背中を強く押した。
どうして気づかなかったんだろう、なんて
ことよりも。
どうして上の階に座っていたんだろうって後悔。
「1年の分際で生意気なんだよ」
「アマネ先輩と話してんじゃねーよ!ブス!」
お弁当は転がって。
おかずが飛び散って。
わたしの身体もバランスを崩してゴロゴロと追いかけるように落ちた。
「…いたい、」
先輩、どうやら先輩の考察は間違ってたみたいです。
麻痺してませんでした。
まだ痛みは感じられるみたいで───…