とある先輩の、歪んだ狂愛。
「ここで食べるお弁当って中々おいしいよ」
え、隣でお弁当食べ始めてる…。
からかわれるかと思ったのに、そうではないらしい。
アスパラベーコン巻きをひょいっとすくって口に運んで、頬を和らげている。
「仲良く…してくれるんですか…?」
「ううん、ちがう。だってわたしもイジメる側だから」
「……え…?」
その視線は私を捉えてくる。
ふっと懐かしむように笑った女子生徒は、満足気に放った。
「だからわたしも今日からイジメていい?」
なにを言ってるんだろう、この人…。
やっぱり私をいじめるためにわざわざここに来たの…?
それで宣言してくる。
頭のおかしい人だ、変な人だ。
「可哀想で惨めだよって分からせてあげたくて」
「や、やめてください…」
なんて拒否すればするほどに、その先輩は楽しそうに笑う。
なんて人に声をかけられてしまったんだと。
どうして今日に限って、私はこの場所に逃げてしまったんだろうと。
「わたしは2年の南 涼夏。───君は?」
*
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それはとある先輩の、歪んだ出会い。