とある先輩の、歪んだ狂愛。




「ここで食べるお弁当って中々おいしいよ」



え、隣でお弁当食べ始めてる…。

からかわれるかと思ったのに、そうではないらしい。


アスパラベーコン巻きをひょいっとすくって口に運んで、頬を和らげている。



「仲良く…してくれるんですか…?」


「ううん、ちがう。だってわたしもイジメる側だから」


「……え…?」



その視線は私を捉えてくる。

ふっと懐かしむように笑った女子生徒は、満足気に放った。



「だからわたしも今日からイジメていい?」



なにを言ってるんだろう、この人…。

やっぱり私をいじめるためにわざわざここに来たの…?

それで宣言してくる。


頭のおかしい人だ、変な人だ。



「可哀想で惨めだよって分からせてあげたくて」


「や、やめてください…」



なんて拒否すればするほどに、その先輩は楽しそうに笑う。


なんて人に声をかけられてしまったんだと。

どうして今日に限って、私はこの場所に逃げてしまったんだろうと。




「わたしは2年の南 涼夏。───君は?」











それはとある先輩の、歪んだ出会い。



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