とある先輩の、歪んだ狂愛。
ジーーと微かな音。
チカチカと点滅を繰り返して、そしてとうとう───バチッ。
「…あ、切れた。佐々木さーん、蛍光灯が切れたみたいです」
「えー、またぁ?悪いけど裏から持ってきてもらっていい?」
「…わかりました」
1つ2つ切れたとしても気にしないような寂れたコンビニエンスストアなのだが。
さすがに3つ目となれば営業妨害になりかねない。
真夏日、クーラーの聞いてないバックヤードは地獄。
佐々木さんが行けばいいのに、バイトリーダーからの指示は断れないからズルい。
「あったあった。…まさか取り替えろとまでは言わないよね…」
言いそう。
佐々木さんなら言ってきそう。
「…そういえば今日って夏祭りなんだっけ、」
びっしりとバイトで埋めた夏休み。
この日はいつも以上にお客さんが少ないなぁと思っていたら、それはすべて隣町へ行ってしまってるから。
隣町のコンビニ店員は今頃忙しくて走り回ってるはずだ。