とある先輩の、歪んだ狂愛。
「───……ん、」
「あ、起きた?どう?授業戻れそう?」
目が覚めて3秒もしないうちに質問されても答えられない。
まだ頭が朦朧としてる。
ぼやける視界は白い天井と蛍光灯を映し出して、ここは保健室なんだと消毒液の匂いで感知。
「……せんせい、わたし、」
「階段から落ちるなんてドジねー」
…ちがう、落とされたんです。
油断していた。
完全に、油断してた。
やっぱり常に1人でいた人間が誰かとつるんじゃ駄目だったんだ。
「軽い脳震盪ね。一応無理はしないで、早退するなら担任に伝えとくわ」
「大丈夫でーす、頑張れまーす」
……わたしじゃない。
わたしがそんなアホっぽい返事するわけがない。
「こら高槻。あんた授業どうしたの」
「3年は進路とかあるでしょ?自分のことさえやっとけばいいんですよ」
「まったく…」
ベッド脇、クルクル回る椅子に遊ぶように座る1人。
いま何限…?
わたしはどれくらい寝てたの…?