とある先輩の、歪んだ狂愛。
「…ここなら先輩も来ない、はず」
さすがに来ない。
ここまできたらプライドなんか捨てるしかなかった。
───女子トイレ。
今頃クラスメイトは「便所飯」なんて言って笑ってることだ。
「………うそ、…でしょ」
天井から降りかかった水。
バケツいっぱいの量、ポタポタと滴る水滴。
「きゃははははっ!行こっ」
声の主なんか、わざわざ分析しなくたっていい。
みんな敵。
周りはみーんな、敵。
ただ何より、水浸しな自分よりも水浸しのお弁当が可哀想に見えて。
あぁ、本当に可哀想。
すっごくすっごく、かわいそう。
「ねぇ臭くない?」
「やだ~、こっち来ないでよ」
透明では無かった水は、きっとわざわざ泥を混ぜ込んだに違いない。
そこに残飯を入れてぐっちゃぐちゃにかき混ぜて。
そして私へとザバーーン。
「うわっ、汚ねっ!」
「なぁおまえ罰ゲームであの女とヤれよ」
「ふざけんな物理的に反応しねぇっての!」