とある先輩の、歪んだ狂愛。




ほんとうに。

お弁当、お母さんになんて言おう…。


「美味しかったよありがとう」って、いつも通りちゃんと言えるかな。



「先輩、今日おかしいですよ」


「おかしいって?」


「いつもはもっと頭おかしいのに……今日は、なんか普通のひとです」


「あのさぁ。それ確実に馬鹿にしてるよね」



馬鹿にはしてない。

けど、こんなの裏があるんじゃないかって疑ってしまう。


人が苦痛を味わう顔に何よりの快感を得るサイコパスな先輩じゃないみたいだから。



「だれに水浴びせられたとか知ってんでしょ?」


「…はい」


「だれ?って聞いてもどうせ、“言ってもキリがない”とか言ってくるんだろうけどさ」



当たりだ。

このひと、だんだんわたしの性格わかってきてる。



「知ってるなら尚更どうして行動しない?」



そんなの、してどうするの。

やめてくださいってクラスメイトに言うの?

そしたら何か変わる?



「…それをして収まるなら、とっくに収まってますよ」



とくに小学生のとき。

最初は無視とか、ほんの些細な嫌がらせから始まって。



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