とある先輩の、歪んだ狂愛。




別にそんなの思ってない。

誰かにどうこうして欲しいなんて、そんなの期待するだけ無駄だから。


それなのに核心ばかりを突いてくる言葉。



「いじめっ子な先輩が言えた台詞ですか」


「ははっ、確かに」



笑い事じゃない。

自覚があるなら直してほしい。



「我慢は…守ってるうちには入りませんか」


「え?」


「…なんでもないです」



我慢ならいくらでもできる。

自分の身体がたくさん傷付いてたとしても、我慢して乗り越えれば守ったってことにはならないの…?


わたしはその守り方しか知らない。



「…てか着替えないの?風邪引いても俺もう保健室に運んであげないから」


「結構です」



出来れば今すぐにでも着替えたいけど…。

そうするためにはあなたが退いてくれなければ着替えられない。


今から女子トイレに戻るわけにもいかなし、保健室だって遠い。

それにここは人も居ないから今がチャンス。



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