とある先輩の、歪んだ狂愛。
「ねー!3人だともっと美味しいわね涼夏!」
「…うん」
やっぱりそっくりじゃん、お母さんに。
俺の思った通り。
自分では気づいてないかもだけど、もし手鏡があったら迷わず目の前に差し出してるよ俺。
そんな顔で笑う女の子のどこが冷淡ロボットなんだか。
「お邪魔しました。すみません、長居してしまって」
「全然!こちらこそ夜遅くなっちゃって!今度はすき焼きしましょうね高槻くん!」
「もうお母さん!先輩は受験生だよ」
笑顔で「はい」って答えた21時過ぎ。
本当は時間があればもう少しこの親子を見てたかったけど…なんて。
でも今日はいいものが見れたし満足。
「じゃあまた明日、学校で」
「…はい。…あの、楽しかったです…すごく」
今日しか見れない気がするその顔。
だから俺はもうちょっと見てたかったんだけど、まぁ時間も時間だし。
「…俺も楽しかった。じゃあ…おやすみ」
*
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とある先輩の、歪んだ気持ち。