とある先輩の、歪んだ狂愛。




だってそう思ってる時点で善でも偽善でもなく、ただの自己満足でしかないのだから。



「あんたってちゃんと服とか洗えてるの?」


「…洗ってるけど」


「ほんとに?貧乏だから洗濯機もないんだと思ってた~」



正直、こういう会話が一番に心を抉られる。

だけど今となっては慣れたもの。


ただ淡々と返答すれば事は収まるはずなのに、だからこそ「冷淡ロボット」なんてまた言われる悪循環で。



「うーん、もう少し笑顔つくれる?ほら、コンビニって接客業だからねぇ」


「…がんばります」


「それさえ出来れば即採用したいんだけどね?んー…じゃあここは南さんを信用して、明後日から来れる?」


「はい」



ほらそこも笑顔!と、面接から指導が入った。

この町でも古くからあるコンビニエンスストア。


「週3日以上、土日も入れます」と、労働基準法ギリギリセーフなところを攻めてなんとか採用。



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