とある先輩の、歪んだ狂愛。
小学2年生のときに転校してきた周のご近所付き合いから始まって、今では高校まで一緒。
気づけば「幼なじみ」なんてくくりでまとめられてるくらいで。
だとしても、周がまさかまたいじめられっ子と関わってるなんて想定外。
「…お前、立花 彩って覚えてるか」
「───…覚えてる覚えてる」
俺たちが中等部にいた頃、立花 彩(たちばな あや)という大人しい女子生徒がいた。
部活にも入ってなくて目立たなくて地味で、友達も居ないようないつも1人で弁当食ってるヤツ。
もちろんその理由はクラス全員からのいじめ。
それでも毎日学校に来てるような女だから、「メンタル強いよね」なんて周は言ってた。
「そいつと周、付き合ってたんだよ」
「………は!?」
「これ、俺しか知らない設定だからぜったい口外するなよ」
「え、あぁ、わかったけど……は!?周だろ!?なんでよりによって立花 彩なんだよ…!」
誰がどう聞いてもその反応をされるくらい、そのふたりは決して釣り合ってるとは言えなかった。