とある先輩の、歪んだ狂愛。
そんなものがどこか腹立って、からかってやろうって近づいたらいつの間にか普通に話せるようになってて。
同い歳なのに大人しくて敬語だから、最初は後輩じゃないかと思ってた。
見た目も中2のわりには子供っぽい。
まぁ、周りが大人っぽいからかもしれないけどさ。
『あまねくんは体力テスト、明日でしたよね』
『そ。立花は今日でしょ?どうだった?』
『シャトルラン…転かされて、7回です』
『うわ、立花っぽい』
『あまねくん』なんて名前で呼ばれたとしても嫌じゃない。
でも立花はクラスメイトの前や2人きりじゃないときはそう呼ばない。
そんなものに、また腹が立って。
『いじめ…つらくない?』
その質問がたぶん、だめだった。
つらくないわけがない。
それを再確認したところでどうなるっていうんだ。
『…平気です。もう慣れてますから』
そんなの慣れるものじゃないでしょ。
慣れたら駄目でしょ。
『…俺が、救ってあげられるよ』
『…え…?』