とある先輩の、歪んだ狂愛。




身の程知らず、とでも言うのかな。


わたしは浮かれていて、きっと誰よりも浮かれていて。


高槻 周と話せるようになったからって最下層のもっと下のわたしが隣に立てるわけないのに。

そう思うことすらおこがましいというのに。



「俺に言えば良かったじゃん。貸してあげたよ、靴なんて」


「サイズが大きすぎます」


「クラスの女子から借りるってこと」


「それこそ駄目ですよ」



なんで駄目?と、先輩は顔を上げた。


逆にわからないのが不思議。

普通に考えればわかる。

それなのに聞いてくるって、それってわざとわたしに言わせようとしてる…?



「…わたしと同じ目に遭うのは先輩です」



何度も言ってる。

そうなっても保証はできないし責任取れませんって。


わたしは、わたしのことでいっぱいいっぱいなんだから。


だったらどうして先輩と「友達」になりたかったんだって。

そこには矛盾が生まれるから考えないようにしてる。



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