美しき花は罪
「何てひどい旦那なんだ!こんなに綺麗な奥さんを放って浮気だなんて……!」

俺なら泣かせたりしないのに、そう言ってラファエルはエレーヌの頬に口付ける。頬を伝う涙がラファエルの口の中に入った。普通、涙はしょっぱいものだ。しかし、ラファエルにはエレーヌの涙は甘い蜜のように感じた。

ラファエルはエレーヌの涙を舌で舐めていく。エレーヌの声、涙、全てが甘くて愛おしい。

「今日はもう、家に帰らなくていいんじゃないですか?俺がずっとそばにいますから」

しばらくエレーヌを堪能した後、ラファエルは微笑んで言う。エレーヌは「はい……」と初めて笑いながら頷いてくれた。








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