美しき花は罪
アリエルと楽しいティータイムを
よく晴れた土曜日の午後、ラファエルは女性に人気のカフェを訪れていた。もちろん一人ではなく、女性を連れてだ。

女性、と言うよりは女の子と言う方が正しいかもしれない。背が低く、十代前半の黄色のリボンのついたドレスを着た女の子はキョロキョロと辺りを見渡して目を輝かせている。

「こんなところ、来たの初めて！ラファエル大好き！」

無邪気に笑う少女ーーーアリエル・ボヌフォアの頭を撫でてラファエルは「それはよかった。嬉しい」と頬を赤く染める。

アリエルは貧しい家の娘だ。しかし、磨けば美しくなれると思ったラファエルが声をかけ、美しいドレスや靴を与え、メイクもさせた。すると艶やかな赤毛の美少女が目の前に現れ、ラファエルは恋愛相手の一人にアリエルを選んだ。

「さて、何が食べたい？好きなスイーツを頼んでいいよ」

ラファエルがそう言いながらメニュー表を差し出すと、アリエルは「わあ、スイーツがこんなに！」と言いながらメニュー表をめくっていく。
< 13 / 23 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop