美しき花は罪
「じゃあ、俺がロールケーキを注文するよ。二人で半分こしよう」

ラファエルがそう提案すると、「わあ、ありがとう!さすが私の王子様!」とアリエルは無邪気な笑顔を見せて言う。ラファエルは「君の食べたいものを食べたい」と言い、店員に注文をする。

楽しく二人で話しているうちに、店員が二人分の紅茶とロールケーキとレアチーズケーキを持ってきてくれた。アリエルは「わあ!おいしそう!」とはしゃぎ、早速食べ始める。

「おいしい〜!」

そう笑うアリエルにラファエルは微笑み、「ケーキのクリームついてるよ」と言って指でそっとアリエルの口元を拭いた。そして自分の手についたクリームを舐め、「甘い……」と呟く。

「ラファエル、そんなこと急にされたらドキドキしちゃうよ。心臓に悪い〜」

アリエルは真っ赤な顔で言い、頬を膨らませる。ラファエルは「ごめん」と謝りつつ、フォークでロールケーキを刺して「あ〜ん」と言いながらアリエルの口元に持っていく。このまま食べさせてあげるつもりだ。
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