美しき花は罪

とにかくしらを切ろう、フランソワーズはきっと酔って変なことを言っているんだ、そう思いラファエルは必死に誤魔化す。しかし、フランソワーズの表情は和らぐことはない。そして、静かに右手を上げた。

刹那、いつの間に家の中に侵入していたのか、シャネルにエレーヌ、そしてアリエルがリビングのドアの向こうから姿を見せた。シャネルは怒りを露わにし、エレーヌは絶望に浸った顔を見せ、アリエルは今にも泣き出しそうな顔をしている。

「この三人の他にも、まだ女がいるんでしょ？もう私たちは全部知ってるの。あんたが他の女にも「愛してる」とか言って、体の関係を持ってることをね！」

フランソワーズが冷たく言い放ち、何かを懐から取り出した。ギラリと光に反射したそれを見て、ラファエルの中に恐怖心が芽生える。フランソワーズが手にしていたのはナイフだった。

「私だけを愛してるって言ったくせに！私だけのものじゃないなら、あんたなんかいらない。ここで私たちが殺してあげる」