美しき花は罪
「そこのお兄さん、あたしたちのお店で飲まない?」

「そこのお兄さん、私と楽しいことしましょう?」

派手に露出した煌びやかな衣装を着た女性たちに声をかけられ、ラファエルは「また今度ね。今日は先約があるから」と笑って歩いて行く。

しばらく歩くと、街頭に照らされた大人の雰囲気を出しているバーが見えてきた。ラファエルは迷わずバーの中に入る。

繊細で美しいランプが照らす店内では、スーツやドレスといった上品な紳士淑女が穏やかに談笑しながらカクテルを楽しんでいた。ラファエルは他のお客をチラリと見つつ、カウンター席へと向かう。カウンターでは、一人の華やかな女性がカクテルを飲んでいるところだった。

ピンクの胸元の大きく空いたドレスに、ふんわりと巻かれた金髪、淡い色のルージュが引かれた唇は誰もがキスを落としたくなるほど魅力的で、エメラルドのような緑の目は寂しげに揺れていた。

「遅くなってごめんね。俺が奢るよ」
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